場当たり的な「麺食」

一日の予定が二転、三転と、あるいは流れてしまったり、入れ替わってしまって、思い通りに事が運ばない時や、魔がさして孤独を感じてしまう時、あらがえない何かの存在を感受してしまう。

時刻はオウマガトキ。

ここは観念して、常世ならぬアラブルチカラに身を任せるのが吉か。

そんな事を思いながら、ジャンクフーズ研究室であるところの・・・

・・・いわゆる・・・台所、に立ってみる。

はっ・・・めったに買い置きを切らさない、スパもない・・・。

一キロ500円の塩の効き過ぎたうどん麺がたんまりある。

幸い、キムチもある。キムチ+うどんで・・・

キムドン・・・なんてのはジャンクフーズ列伝としては愚の骨頂なのである。

おおそうだ!

朝方庭のハーブを挿し芽にするのに、切り落としたハーブの切れ端がざるにたんまりあがっているのを忘れていた。

うどん+ハーブ+キムチ・・・これらを有機的につなぐ何かを想像しながら・・・卵を揚げはじめる。

さらに、青梗菜やキュウリを発掘し、そこでなにか「フォーのようなもの」を思い描きながら、多めに麺をゆではじめる。

・・・と、そんなところへ、相方が客人を伴って帰宅する。

「また番狂わせか」とひとりごちながら、誰が来たのか伺っていると・・・

料理の腕に覚えのある人物が現れたりする。

・・・マレビトきたりぬ。これもオウマガトキのなせる技か?

客人には茶もださず、さっそく研究のコンセプトとルールを伝える。

コンセプト:フォーっぽいもの
ルール1.レモンミントとオレンジミントを使う
ルール2.揚げ卵をのせる
ルール3.うどん、キムチを使う

調理素材の探索・調査をさらに丹念につづけると、台湾みやげでもらった固形スープを発掘・・・

「あ・・・これ、フォーっぽくね?」

・・・べりっ・・・くんくん・・・

「あ・・・フォーですね、これ」

ジャンクフーズ開発にいそしむ
ジャンクフーズ開発にいそしむ二人。

麺をガッツリゆでてしっかり塩分を抜いて、スープの味を塩と醤油でととのえた。

ごま油にニンニクと鷹の爪と炒ったピーナッツをいれて、青梗菜をさっと炒める。

隠し味にキムチを入れて・・・

二口コンロに、三つの器を器用に入れ替えながら・・・

料理人らしく丁寧にキュウリを・・・・

丁寧にキュウリを切る

そこまですると・・・なんか・・・ジャンクじゃなくね?

テラス・アンド・ミコ 久保田氏

・・・いや、有り合わせで作るから、コンセプトは、かろうじてジャンクだね

こういうマレビトと調理場で対峙するのもジャンクフーズ列伝の作法なのである。

オーマガドキにマレビトが来て出来たレシピ、「うどんのフォー」。

ハートはアジア+英国なグローバル。見た目はローカル。具ローカル

題して「具ローカルどん」
星:★★★★★

味のほどは・・・つか、フツーに美味しいフォーが出来てしまった。

この客人とは近年住吉橋近くに「テラス&ミコ」という店を出した久保田オーナーシェフ。
修行時代、イギリスの一流店で包丁の腕をならした「さばける異能の調理人」。

フツーに旨そうなフォーが出来てしまった